ロックとブンガク、そしてシネマ »
ロックンロールの手触りがする小説が好き。 ブンガクの匂いを感じさせるパフォーマーのロック・ミュージックが好き。 衝動と飢餓と欲求と愛とで成り立っているシネマが好き。 ロックンロールとブンガク、そしてシネマ。
レビュー by rock-english さん
(一本道 友部正人)
♪ぼくは今 阿佐ヶ谷の駅に立ち
電車を待っているところ
何もなかったことにしましょうと
きょうも 日が暮れました
ああ 中央線よ 空を飛んで
あの娘の胸に 突き刺され
高校の頃、ちっぽけなラジカセで、
「にんじん」の中の「一本道」を、
何度も何度も聞いた。
覚えたてのカップ酒を片手に、何度も、何度も。
なんだか泣けて、泣けてしかたなかった。
これから何十年も生きていって、ふと振り返ったとき、
自分の生きてきた道が、ちゃんと見えるんだろうか。
不安で、しかたなかった。
♪お銚子の隙間から のぞいてみると
そこには幸せがありました
幸せはほっぺたを寄せ合って
ふたりお酒を飲んでました
そのとき 月が話しかけます
もうすぐ 夜が明けますよ
何ものにもなれなくていい
たいした人生でなくてもいい
ただ、たしかに自分だけの道を歩いていけて、
ほっぺたを寄せ合ってお酒を飲めるような
誰かといっしょの小さな幸せがあれば
それでほんとうに十分だ。
そんなことを思って、ただ涙ばかり流していたような気がする。
単に泣き上戸だったのかもしれないが…。
友部さんは、風貌も、歌声も、まったくかわっていない。
奇跡のようだ。
1972年に発表された歌だから、
友部さんは35年以上もこの歌をずっと歌ってきたのだろう。
本当に何年ぶりかにこの歌を聞いた。
やっぱり泣いてしまった。
あのときとは違う涙だけど…。
登録日 : 2008年12月09日 01:41:37


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