主人公の女浮世絵師を中心に描かれる、このシリーズも最終巻。
チャンバラのない時代物ですが、
人は流行病、事故、自殺(!)などで
さらっと理不尽に死んでいきます。
「死」の気配が非常に濃厚なのにもかかわらず、
どこかカラッとしている、不思議な雰囲気のお話です。
当たり前のように死がすぐそばにある中で、
前を向いて歩く人々の描写が本当に素晴らしい。
芯の強いお話を書くなぁ、としみじみと思います。
この物語を書いている間に、
作者の方は旦那さんをガンで亡くされていることが、
もしかしたら影響しているのかも知れませんね。
また、江戸末期の風俗が非常に詳しく描かれていて、
そういうトリビア的な意味でもたいへん楽しめます。
第一巻からどんどん尻上がりに面白くなっていくので、
3巻目くらいまでは一気読みするのがオススメです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2012年9月23日
- 読了日 : 2012年9月20日
- 本棚登録日 : 2012年9月20日
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