国芳一門浮世絵草紙 5 命毛 (小学館文庫 か 4-6 国芳一門浮世絵草紙 5)

著者 :
  • 小学館 (2011年8月5日発売)
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本棚登録 : 59
感想 : 7
5

主人公の女浮世絵師を中心に描かれる、このシリーズも最終巻。
 
チャンバラのない時代物ですが、
人は流行病、事故、自殺(!)などで
さらっと理不尽に死んでいきます。
 
「死」の気配が非常に濃厚なのにもかかわらず、
どこかカラッとしている、不思議な雰囲気のお話です。
 
当たり前のように死がすぐそばにある中で、
前を向いて歩く人々の描写が本当に素晴らしい。
芯の強いお話を書くなぁ、としみじみと思います。
  
この物語を書いている間に、
作者の方は旦那さんをガンで亡くされていることが、
もしかしたら影響しているのかも知れませんね。
 
また、江戸末期の風俗が非常に詳しく描かれていて、
そういうトリビア的な意味でもたいへん楽しめます。

第一巻からどんどん尻上がりに面白くなっていくので、
3巻目くらいまでは一気読みするのがオススメです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2012年9月23日
読了日 : 2012年9月20日
本棚登録日 : 2012年9月20日

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