戦後70年の節目を迎えた今年の夏は、例年以上にメディアでも戦争が取り上げられていました。
そのうちいくつかは自分でも読んだり見たりしたけれど、
あまりの悲惨さに目をそらしてしまったものも多くて、、それではいけないと思い直しての本選定。
社会的にも女性は地位が低く、
また、戦争の影響で自由も許されなかった時代に
愛する人を信じて強くしなやかに生きた女性5人の物語です。
女中である千恵子は、書生の政吉と恋に落ちる。
間もなく政吉は出征し、
千恵子は身ごもっていることに気が付く。
千恵子は実家に帰ったものの、
「未婚の女が、明日死ぬかもわからない男の子供を産むなど許さない」と父親に勘当され…。(乙女椿)
一個人の人生の転換期の背景として戦争があり、
その理不尽さを身につまされる思いで読みました。
自分は自由が許される今の時代に生まれ
本当に恵まれている。
一番愛した人と一緒におれないなら、死んでしまった方がましだとたぶん自分は思うけれども、
ここに出てくる5人はそうはしなくて、
どうにかして愛した人の子供を産み育てよう、
愛した人の分まで生きようとする。
とても強い。
乙女椿の政吉の手紙を読んで嗚咽してしまった。
戦争の理不尽さと人間の美しさがより悲壮感を産むのです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年9月5日
- 読了日 : 2015年8月25日
- 本棚登録日 : 2015年9月5日
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