イソップ株式会社

著者 :
  • 中央公論新社 (2005年5月26日発売)
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本棚登録 : 69
感想 : 18
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古い本かと思ったら,比較的最近の刊行:読売新聞土曜朝刊に連載。幕間の登場人物の物語は編集部〜東北出身で売れない童話作家だった父は,母と童話出版社を始めたが経営は芳しくなく,母が死んでからは弘子さんが本格的に編集の仕事に打ち込んでいる。夏休みは,小学校の先生上がりで詩人の祖母の許で暮らすが,父からは母との約束であった一日一話の物語が送られてくる。村は過疎対策・農村活性化策として,都会の子どもたちを預かる林間学校を村民あげで実施している。毎日物語が送られてくる中,弘子さんが村を訪ね,祖母の詩を本にするという。弟の洋介は新しい母を迎え入れようとする気持ちがあるが,姉のさゆりは抵抗がある〜弟の発見<ところによってモノの数え方がちがう><カラスはほかの鳥の鳴き声をまねする><噂の時速は8キロである><母音の長短で意味が対立し,擬音語の澄む濁るでは感じが対立する>姉の発見<父の送ってくる物語に両親は揃っていない><父の作と称している中には弘子さんの代作が含まれている>,東北の農村ってバックグラウンドが抜けないな・・・子ども時代というと,それが浮かんでくるのだろうかから仕方ない

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2009年6月8日
読了日 : 2009年6月8日
本棚登録日 : 2009年6月8日

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