吉永小百合主演・山田洋次監督の映画の原作の原題は「父へのレクイエム」で,彼女が付けたのは「年下の父」~父が特高に検束された時,私は3年生だった。警察署をたらい回しにされた挙げ句,拘置所に入り,母は代用教員をしながら,九州の父の故郷の異母妹弟に仕送りをしていたから大変。母方の祖父は離婚を迫ってくる。差し入れをしながら獄中の父と文通を続けていたが,ある日警察病院から父急死の電報が届く。父の享年は39~野上さんは黒沢明の仕事を手伝い,山田洋次とも知り合った。フィリピンの山中で「ひょんと」死んだ天才詩人・竹内浩三の事を詳しく知ろうとして野上さんに行き着き,読売女性ヒューマン・ドキュメンタリー大賞の優秀賞をとった作品を読み,映画化を決意し,吉永小百合に話を通し,一気にシナリオを書いた。脚光を浴びて単行本化。あとがきで,父は54歳で亡くなり,照代さんは1984年当時57歳。あれ,辻褄が合わないと思っていたら,「多少のフィクションは許される」という応募規定があったそうな。実際の入獄は1940年4月で,出獄は1940年12月。「やや事実を変え,ドラマチックな」という良い訳に当たるかな?映画では更にドラマチックにしてあるはずだから心して観よう
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- 感想投稿日 : 2010年12月4日
- 読了日 : 2010年12月4日
- 本棚登録日 : 2010年12月4日
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