世界の独裁者 (幻冬舎新書)

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  • 幻冬舎 (2011年9月29日発売)
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現代最凶の20人~ロバート・ムガベ(ジンバブエ:ダイアモンドを産出するコンゴ民主共和国に派兵・白人から土地を奪い無償の農業労働者を使役)。オマル・アル・バシール(スーダン:アラブ系ムスリムがアフリカ系キリスト教徒を攻撃しダルフール紛争を引き起こす:南部に集中している油田の利権で中国から武器購入)。金正日(北朝鮮:言わずと知れた)。タン・シュエ(ミャンマー:天然ガスと麻薬)。アブドッラー・ビン・アブドルアジーズ(サウジアラビア:王家の主流でなく,イスラームを支配の道具と考える)。胡錦涛(中国:最大の敵は太子党)。アリー・ハメネイ(イラン)。イサイアス・アフォルキ(エリトリア:エチオピアからの独立の英雄だが,報道自由度ランキング最下位)。グルバングルィ・ベルディハメドフ(トルクメニスタン:前大統領の専門歯科医から転身し天然ガスを梃子に全方位外交を推進するが,インターネットの敵)。ムアンマル・カダフィ(リビア:言わずと知れた・AU設立の提唱者:石油利権でアラブ統一の理想に燃える:革命時は注意だったが,エジプト革命時のナセルが大佐だったので儀礼的に大佐を名乗る)。イスラム・カリモフ(ウズベキスタン:反対票はマークを隙間なく埋めさせる共産主義独裁を継承:親米・親露を行ったり来たり)。バッシャ-ル・アル・アサド(シリア:兄の死で父親を継承:議会を牛耳る任期7年の大統領の再選制限なし)。テオドロ・オビアン・ンゲマ(赤道ギニア:アフリカ第3位の豊富な石油資源)。アレクサンドル・ルカシェンコ(ベラルーシ:汚職に厳しく強いソ連復活を夢見てロシアと対等な連邦制を模索し,若者に根を張り,欧米とロシアの間で蠢く)。メレス・ゼナウィ(エチオピア:社会主義体制を倒したゲリラの頭領で,市場原理を導入し,農業を主体に高成長を維持:エスニック連邦主義の限界)。イドリス・デビー(チャド:世界銀行からの融資で石油収入は豊富だが,北にリビア・東にスーダンがあり軍事費に消える)。ムスワティ3世(スワジランド:アフリカ最後の絶対専制君主)。ポール・ビヤ(カメルーン:フランスとスイスで大半を過ごしショートステイで帰国:産油国だが国庫も私有化:英語圏とフランス語圏で揺れ動く)。ウゴ・チャベス(ベネズエラ:軍人としてスタートし社会主義を夢見てクーデターに及んで投獄されたが政治家に転身:貧困層に取り入り主要産業を国営化)。ウラジミール・プーチン(ロシア:大統領から首相,そして大統領)~<今なにをやっているか><どうって権力を握ったか><今後の見通し>という順で述べられている。まあ,どこも似たり寄ったりで,国民投票で権限を拡大し,議会を無力化・・・反対派を弾圧。報道されるか否かは,報道の自由が確保されているか否かに掛かっており,敵意をもって報道されるか否かは欧米寄りの外交姿勢か否かに掛かっている。或いは,日本に影響があるか否かだ。スワジランドの嫁選びは面白半分でテレビで紹介されていたね。ワシントンポストの週末誌パレードの2011年独裁者ランキングから選んでいるが,カストロとムバラクを外し,チャベスとプーチンを入れた。著者近影を見ると胡散臭さが漂う

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年1月10日
読了日 : 2012年1月10日
本棚登録日 : 2012年1月10日

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