晴子情歌(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2013年4月27日発売)
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本棚登録 : 325
感想 : 34
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晴子から息子、彰之へ宛てた長大な手紙が半分以上を占める作品。
旧字体が読みにくいかなぁと少し不安だったが、読み始めると案外すっと読めた。
個人的には余り歴史に詳しい訳ではなくピンと来ない部分も多々あったが、満州があった頃の日本で、これからの未来に対してどこかぼんやりと薄暗いようなものを感じた一部の人達のもやっとした感情が霧のように全体を覆っているような気がした。
初山別の鰊漁の群来の描写が美しく、対比するような漁の肉感を伴うような生々しさが対照的だった。
晴子の手紙から彰之の胸に去来する想いの行方はなんなのか…。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2013年5月21日
読了日 : 2013年5月21日
本棚登録日 : 2013年5月13日

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