手作り弁当を食べてる場合ですよ 格差社会を生き抜く処方箋 (角川oneテーマ21 A 119)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年7月10日発売)
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本棚登録 : 133
感想 : 14
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自己啓発本?…でもエッセイのくくりでいいかと(笑)
啓発される人も多々ありましょうが、されようにもできずにギッタギタになってしまう人もかなりいると思うので。

ちょうど「下層化する女性」に関する格差の本を読んだばかりだったので、著者の「格差を社会のせいばかりにしてないで、個人で何とかするすべを見つけようや」というような意見は目からウロコでした。
いや、おっしゃることは正しいです。でも、そうできない人間が多いから何ともならないわけで。…ええ日垣さんにしたらば、そういう人はバカな人間のくくりにされてしまうんでしょうけど。
この本の発刊から6年ですが、現在では格差格差と聞かない日はないくらい耳にするようになってしまってます。

最後にお薦め本の紹介がありますが本書全体にお薦め本の紹介の要素があります。
書かれている時事はもう6年以上前のことですが、それに対する洞察は全然古くありません。
日垣さんの「何事も容赦なくバッサリ」というスタンスにいつも痺れてしまいます。あとがきにやっと手作り弁当の話が出できますが、私も常々買いに行く時間や行列に並んで待つ時間が無駄だと思っていたので膝を打つ思いでした。

でもなぁ…賛否・好き好きハッキリ分かれる一冊ですねこれは。
終章の最後に、ある本の紹介に関する記述で「神経を逆撫でされる記述も散見されるわけですが、およそ自己肯定だけの読書は人を知的に成長させません。多少の違和感あってこその楽しい読書と心得ましょう」とあるのですが、ご自身の著書もそう読まれている可能性が高いと、大変知的な日垣さんはきっと気付いておられるんでしょうね。
嫌な感じですよ。でもそれがたまらなく爽快に感じるような中毒性のある危険な(?)文章、どんどん読みたくなります(笑)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2016年5月7日
読了日 : 2016年5月7日
本棚登録日 : 2016年5月7日

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