一度読んだら決して忘れられない傑作。再読。
再読して初めてこれは「七月七日」の舞台であったサイパン島に続く物語なのだと知った。
この作品の舞台は沖縄本島。読後に受ける衝撃は、結末を知っているにも関わらずまったく同質のものであった。
最前線の物語でないにも関わらず、戦争というものがもたらす人間性の断絶というものが信じられないほど克明に描き出されている。
だのになぜか、これを戦記物とか戦争小説とかに分類するのはためらわれる自分がいる。少年の「信じていたのに」という言葉と、それに続く選択は、あまりにも文学的であるから。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
夜の海
- 感想投稿日 : 2011年12月28日
- 読了日 : 2011年12月28日
- 本棚登録日 : 2011年12月28日
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