エンデュアランス号漂流

  • 新潮社 (1998年10月1日発売)
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本棚登録 : 92
感想 : 14
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 たいへんにホネがあり読み応えのある本でした。 アーネスト・シャクルトン隊長と27人の隊員の壮絶なる南極探検遭難サバイバル生還物語 です。 時代は1915年。第一次世界大戦がまさに始まろうとしている頃の実話でございます。隊長を含む28人の隊員全員が無事生還するまでの実話が、著者による徹底的な取材と研究により1959年に執筆されている。 このエンデュアランス号の物語はいくつかの本になっています。とてもひょんな事からこの本よりも先に読むことになった エリザベス・コーディー・キメル著の『エンデュアランス号大漂流』。 またシャクルトン隊長自ら書いた『南へ』 どれもノンフィクションとしては最高の本だと思います。(『南へ』はまだ読んでないけど、たぶん) でも、本のなかで本当に漂流するのはエンデュアランス号ではなくて、その乗組員たちと三隻の小型ボートなのです。エンデュアランス号はお話の最初の頃にすでに氷に閉じ込められてしまって、そのまま沈むまで海を漂流したわけではないのです。閉じ込められた氷といっしょに漂流したゾ、とは云えますが。 極寒地でのサバイバルの様子が詳細に書かれていますが、特に食べ物に関する描写が仔細に至っていて興味をそそります。アザラシからは油脂分が取れてそれが料理の燃料にまでなるのですね。人間生きようと思えばなんだって食える、の実証物語です。 冒険好きな読者の方々に全面的にどうしようもなく理屈なんか抜きでのお勧め本です。ぜひ読んでみてください。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2008年7月12日
読了日 : 2008年7月12日
本棚登録日 : 2008年7月12日

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