倫敦塔・幻影の盾―他五篇 (1952年) (新潮文庫〈第382〉)

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判らないまま字面を追いかけた初読。今回も明治期の言葉遣いに難儀しながら、せめて雰囲気と大意だけは理解できたものと思っている。『倫敦塔』の夢ともうつつとも取れる書きぶりが、それ以降の作品と相まって幻想的な作品群をなしている。最後の『趣味の遺伝』も、凱旋行軍の風景から日露戦争の戦地に斃れた友人を想い、墓参で偶然会った美人を「遺伝」的手法で探し出すという流れに、漱石のユーモアが表出しているようで面白かった。解説はあの伊藤整というのもすごい。奥付は昭和43年改版・昭和58年46刷。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(邦国)
感想投稿日 : 2017年8月22日
読了日 : 2016年1月1日
本棚登録日 : 2017年8月22日

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