乙一さんの別名義である中田永一さんの新刊です。普段はこのテの表紙の作品は敬遠してしまうのですが、このたび山本周五郎賞にノミネートされたということで手に取ってみました。確かデビュー作以来です、乙一さんの作品を読むのは。
6編から成る短編集ですが、どの作品も重くなく軽妙で、すらすら楽しく、あっという間に読み終わりました。適度にひねりを利かせて、適度なところに着地し、適度に感動を与えるプロの作品に仕上がっている、という印象です。もっとも、もうひと押しあれば絶対傑作になっていたのになあ…と思えたものもありました。
個人的に一番面白かったのは「ファイアスターター湯川さん」かな。これを読んで宮部みゆきさんの『クロスファイア』を思い出したのは私だけではないはず。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
乙一/中田永一
- 感想投稿日 : 2016年5月1日
- 読了日 : 2016年5月1日
- 本棚登録日 : 2016年5月1日
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