雪の香り

著者 :
  • 文藝春秋 (2014年6月9日発売)
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本棚登録 : 156
感想 : 40

京都を舞台に2000年と2012年という二つの時を交差させながら恋愛小説でありながらミステリー要素を色濃くだした小説だ。
京都も北大路から北山通り辺りを中心に描かれており、それは私にとっては土地勘のある場所でもあり、フィクションとはいえ、そこに登場するお店等は実際に似たようなお店もある。その場所の映像を頭の中で描きながら読み進めていった。
京都の四季、文化、行事をちりばめながら、しかし単なる甘ったるい恋愛小説に終わらせない。ヒロイン雪乃の本質をつかめないミステリアスな魅力と奔放な言動で恭平と読者を惑わせ、そこに殺人事件というミステリー要素を配し、読者を引きつける。
劇的な終盤を迎えるが、悲恋の結末ではない余韻を残しているところも魅力だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年9月26日
読了日 : 2017年9月26日
本棚登録日 : 2017年9月26日

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