偶然遭遇した加速器の事故によって、主人公は、同じく事故に巻き込まれた他人の精神世界へ入り込んでしまう。それが例えどんなに清廉な、快楽に満ちた世界であっても、主人公にはとてもグロテスクなものに写り、そこから抜け出そうと試みるが…
人の世界観や価値観、イデオロギーに対する批判に満ちた作品であるが、それでいて読後には現実世界への嫌悪感や絶望をまったく感じさせず、むしろそんな猥雑なややこしい世界を賞賛しているところがこの作品の素晴らしさである。読後は主人公とともに、新たな人生の一歩を踏み出すことができるだろう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SF
- 感想投稿日 : 2012年2月7日
- 読了日 : 2012年1月27日
- 本棚登録日 : 2012年1月27日
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