まず出だしがうまい。
江戸からきた幇間一八の目線で、読者とともにこの
ケッタイな風見藩を歩き、奇習や個性的な登場人物
たちと出会う。その自然な流れ。
その後の展開も謎ってほどではなくても、一八と
同様、「かかわっちゃったんだからしょうがない!」
と思わせるうまさ。
随所に「くくく」と笑わせる文章あり、一方で冷や飯
達の哀しさを滲ませたり、とにかくデビュー作とは
思えない。
最後にはすっかり風見藩にいたくなる気分。
続編の退屈姫君伝と合わせて、明るい気分になりたい
時に絶好の本です。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年3月3日
- 読了日 : 2007年2月3日
- 本棚登録日 : 2015年3月3日
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