看護覚え書 改訳第6版: 看護であること・看護でないこと

  • 現代社
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784874740996

感想・レビュー・書評

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  • きっぱりはっきりとした物言いが清々しい。私は看護に携わる者ではないけれど、仕事に対する心構えは胸に響くものがありました。

    特に、少女に向けたこの言葉には激しく同意。
    “あなた方は自分で工夫することを覚えなければならないのです。世の中には自分で工夫することを覚えようとしない人たちもいます。”
    “上手にできるように勉強するということは、私の本を読むことではなくて、ほかの優れた看護婦たちがあなたに話して聞かせることを、自分でどうすればうまくできるか実地に応用してみることなのです。”

  • 請求記号:N110||N

  • 病人にとって、最良の室内空間について、基本原則が書かれている。第1章に「換気と保温」の基本的な考え方があり、通風と換気の違いをキチンと把握して言及しているのが素晴らしい。病人だけでなく、育児にも充分活用出来る書である。全館空調が流行りだしている昨今、警鐘を鳴らす本として最適である。

  • 換気、清潔、陽光、責任、観察、

  • 「クリミアの天使」ナイチンゲールが1860年に書いた覚え書(おぼえがき)。

    はじめにから引用すると、「この覚え書は、看護の考え方の法則を述べて看護婦が自分で看護を学べるようにしようとしたものではけっしてないし、ましてや看護婦に看護することを教えるための手引書でもない。これは他人の健康について直接責任を負っている女性たちに、考え方のヒントを与えたいという、ただそれだけの目的で書かれたものである。」とある。

    専門的な医学知識ではなく、病気にかからないような、あるいは病気から回復できるような状態にからだを整えるための知識が書かれていてる。
    看護について13の項目が記されているが、その中で一番重要なのは「換気と保温」であり、これを満たしさえすればほかは放っておいてもよいとさえ言っている。

    今から150年以上前に書かれているとは思えない内容で、現代でもまったく遜色がないのだが、このようなすばらしい健康に関する知識は未だに認知されていないのが残念である。
    看護師にとどまらずすべての人に役立つのでぜひ読んで欲しい。

  • ナイチンゲールの本を、初めて読みました。
    「はじめに」にあるように、すべての女性に(もちろん男性にも)一読をお勧めしたい内容でした。

    病人の看護としてはもちろんのこと、すべての人の健康な生活のために必要なことが、ここに書かれています。

    「看護とは、新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静かさなどを適切に整え、これらを活かして用いること、また食事内容を適切に選択し適切に与えることーこういったことのすべてを、患者の生命力の消耗を最小にするように整えること、を意味すべきである」とのこと。

    つまり、自然治癒力が発揮できるように「外」からできることを、確実に行っていくことがここで言うところの「看護」であると私は受け取りました。

    環境への配慮の大切さ、人の観察の大切さ、そして経験を重ねることの大切さ。

    掃除が苦手な私ですが、家中大掃除をしたい気持ちになりました。
    仕事のためのみならず、自分と家族の健康のためにも、これからも読み返していきたい一冊です。

  • 換気、清潔の大切さが十分にわかる本。看護に携わるのは看護師だけではないということが学べる。

  • 学校で強制的に買わされた。
    所々難しかったり、読むのに時間がかかったが大変ためになる。
    こういう見方で看護や患者を観察すればよいのだとわかった。
    あとは心持ちも参考になった。
    アビラのテレジアの、完徳の道を思い出した。

  • 492.9 nig

  • 原著者は、かの有名な近代看護の祖、ナイチンゲールである。

    ナイチンゲールといえば、戦場で献身的な看護をした天使のような人、というようなイメージで知られているが、当然それだけで、これほどまでに世界中に知られる偉人となるはずはない。

    彼女は近代看護の発見者・提唱者であり、また、衛生学者であり、統計学者であり、そして建築にも通じていた。さらに、女性の社会進出についての考え方についても一家言を持つ、ただしバランスの取れた考え方を持つフェミニストでもあった。

    本書では、そのナイチンゲールの思想のうち、主に看護一般の事柄について、丁寧に記されている。ただ、ここでいう看護とは、看護を職業とする者による看護のみを指すのではなく、家で看病(看護)をする一般の方にも向けられている。

    そして、19世紀に生きた彼女の思想は、未だ現在の衛生管理や医療の問題点にもなっているのである。本書から読み取れるナイチンゲールの先見性には、まさに目を見張るものがある。

    翻訳本としても版を重ね、訳は非常にこなれており、読みやすい。看護学生には必読書であることはもちろんだが、ぜひ現在に生きるすべての女性に一読をお薦めしたい本である。

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