続きが気になって一気に読んだ。
東日本大震災の年に妊娠している真菜。
母親との確執があり、父親のいない子を妊娠し自暴自棄になっている。
75歳で現役のマタニティスイミングの講師である晶子はそんな真菜を気にかける。
地震、そして原発事故がふたりを結びつける。
真菜の抱えているトラウマのようなものは、わかる気がするし、晶子の存在がうざったいことも理解できる。でも結局は晶子に救われたんだなと思う。
晶子のお節介がなかったら、真菜はつぶれていたと思う。
子どもを生んだ今、読むからこそ響く言葉もたくさんあったし、共感できる部分もとても多かった。
真菜が出産したことによって、悩みながらもどんどん逞しく強くなっていく姿は美しかった。
完璧な母親になんてなれないし、誰しも初めてのことで不安に押し潰されることも多い。
自分が母親との関係をうまく築けなかったっていう負い目も真菜にはあると思う。
でも真菜はきっといい母親になるんじゃないかなって思う。
そして晶子の世代も子育てには苦労したと思う。今みたいに父親が積極的に育児参加するわけでもないし。それが当たり前って思ってる世代だとは思うけど、想像しただけで大変だと思う。
頼れるものは頼りきらないと育児なんてできないよなあと身をもって実感する。
母の視点、娘の視点、どっちにも感情移入できるし、それらが重なって編み出されるストーリーは本当に素晴らしかった!
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年5月6日
- 読了日 : 2017年5月6日
- 本棚登録日 : 2017年5月6日
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