「最強のサービス」の教科書 (講談社現代新書)

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  • 講談社 (2010年9月16日発売)
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加賀屋の顧客データベースは、参考情報として大きな力を持つが、宿泊客が真に何を求めているのかを知ることが出来るのは、客室係が宿泊客と接している時だけであると考えている。つまり、加賀屋にとっては、おもてなしのサービスが最大の商品であるだけでなく、宿泊客が求めていることを理解するためのツールでもある。

接客時間がサービスの提供作業が的確であるかを判断するための経営指標

人時生産性>粗利益を、投入した従業員の総労働時間で割った数字

本書で紹介してきたサービス企業では、客観的な根拠に基づいてサービスの提供が行われていると言うことである。

最初はお金をかけないでできる現場の小さな改善努力を徹底的に進め、その過程で理解した顧客の要望と生まれた資金的、人員的余力を合わせ、最後に新しい投資を行うことが肝要だ。
また、何か改善しようとしたときに、しばしば散見されるのが、できない理由を多く並べる経営者の存在である。できない理由をリストアップするのではなく、お金をかけないで出来ることのリストを一生懸命作ることが重要で、多くの企業の現場を訪問してきた経験から、この点がサービス企業としての成功に向けた分岐点になると、いまは強く確信している。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2011年3月11日
読了日 : 2011年3月11日
本棚登録日 : 2011年3月11日

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