13歳で脱北した著者の自伝。こんな公に出て大丈夫なのだろうかと妙な心配をしてしまいます。何しろ謎に包まれた北朝鮮。何をするか分からない国、一握りの人間だけが富み、大半の人々が飢えているかもしれない国。そんなイメージしかなかったのですが、著者が語った状況は私の想像を超えていました。
歴史の中で、北朝鮮のように国民を洗脳(と言っていいのか、情報統制と言っていいのか)した政治を行った国はあったと思いますが、そう永くは続いていないと思うのですよね。国民が国を逃げ出さなくてはならない国というのはどうなのでしょう。著者のように苦難があったとはいえ運良く逃げることが出来た場合は良いけれど、そうでない場合も沢山あるのでしょうね。この著者の場合も、ある程度“運は良かった”方だと思うのですが、それでも十分トラウマになるほどの体験をしてきています。彼女が勇気を出して語ってくれたから私たちは知ることが出来たけれど、著者のこれまでを思うと胸が痛みます。そして、彼女の活動が活かされること、彼女のこれからの人生が幸福なものであるように、と祈らずにはいられません。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
自伝・自叙伝
- 感想投稿日 : 2016年8月30日
- 読了日 : 2016年8月12日
- 本棚登録日 : 2016年8月30日
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