ポーリーヌ・レアージュのあるO嬢の物語を寺山修司が脚本化した作品。もちろん脚色している。
これは恋人に売春宿で働くように指示された女の話だ。愛する女にあえて体を売らせることで、お互いの絆を高めようとする男。女の意思は男の手の中にあった……。
愛とはなにか、人はどれだけ人を信じられるのか。でかいテーマもあるんだけど、何よりも寺山ワールドが広がっていて観ていて面白い。詩的要素を映像にとりこむのはこの人独特のものだ。でもポルノ映画に近いのかな、やたらにセックスシーンが多かった。
結局、貧乏な料亭で働く青年が彼女にあこがれ、盗みを働いてまで彼女を買いに来る。それに彼女は心揺さぶられる。その現場を目撃していた男は、はげしい嫉妬にかられて青年を殺し、やがて自ら自殺してしまう……。
ちょっと風変わりな設定からはじまる物語だが、所詮人間の本質なんてこんなもんだよと、寺山修司が笑っている気がした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
その他邦画
- 感想投稿日 : 2011年5月5日
- 読了日 : 2011年4月27日
- 本棚登録日 : 2011年4月27日
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