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Winny 天才プログラマー金子勇との7年半
- 壇俊光
- インプレス NextPublishing / 2022年4月24日発売
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極限の事態と人間の生の意味: 大災害の体験から (筑摩選書 113)
- 岩田靖夫
- 筑摩書房 / 2015年5月13日発売
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以前からその活動と思想に気になるものを感じていた本田哲郎司祭と、「他力」などの仏教系著作も多い五木寛之氏の対談ということで、個人的に期待して読んだ。
字も大きく読みやすい。キリスト教と浄土真宗、それぞれの立場から繰り広げられる対話には、面白いほど共通点がピックアップされ、もう浄土真宗はキリスト教にあげてしまえ、と思うほどである。
一つ物足りないのは、五木氏の発言が相対的に多いように思われること。もう少し本田氏の発言もお聞きしたかった。
親鸞信奉者として有名な五木氏であるが、意外と宮沢賢治や日蓮に対しても正当に評価しているような記述もあった。的外れな賢治解釈や、日蓮を過小評価する傾向のある宗教学者たちは見習ってほしい。
2017年5月30日
2016年8月31日
2012年3月21日
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再読しました。
再読了日:2012年3月8日
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キリスト教の基礎知識を仕入れた後の再読。キリスト教の知識があるのとないのでは、理解に大きな差が出ると感じた。
再読了日:2012年3月25日
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4度目の再読。
私がこの本に何度も挑むのは、ヨブへの救いを自分自身のものとして理解したいからである。私の中のヨブがそれを要求しているのである。私もひとりの「救いを求める罪びと」であるからである。再読了日:2015年9月12日
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マニ教 (講談社選書メチエ)
- 青木健
- 講談社 / 2010年11月11日発売
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軽妙な筆致で、マニ教文献の再現過程、マーニーの生涯とその思想、マーニー後の歴史等がつづられる。特にマーニーの生涯と思想の件(くだり)は、筆者の目線によるツッコミが随所にちりばめられ、読みながらフイてしまうこともしばしば。たしかに時代も文化背景も違う現代のわれわれからは、古い宗教的要素は珍妙に見えることもあるものだが。
だが、マニ教の神話などは現代人の目から見ても興味深く、壮大なファンタジー物語のようだ。というよりたぶん、現代人の思い描くファンタジー物語にも、その根底に古い時代からの宗教的イメージと同じものが流れているのであろう。
若きマーニーの孤独と苦悩から発せられるメッセージは、世界から疎外されたように感じている現代のわれわれに差し込む、一条の光のようである。
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遊☆戯☆王 18 (集英社文庫(コミック版))
- 高橋和希
- 集英社 / 2008年1月18日発売
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再読しました。
再読了日:2013年7月20日
コップの水を見つめて「チェレンコフ光を探している」という佐々井。そして静かに去っていった佐々井。
宇宙の果てから地上へ毎秒一兆ほども微粒子ニュートリノは降り注ぐ。しかしそれと反応することもなく、ただ過ぎてゆく日々を、生きるだけの「ぼく」。
そこへふと現れた彼。…それは、コップの中の「ぼく」と、天文学的な確率で奇跡的に邂逅した、一個の微粒子だったのだ。
そうして彼は消えていった。一筋の光を放って。…
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ドグラ・マグラ (現代教養文庫 884 夢野久作傑作選 4)
- 夢野久作
- 社会思想社 / -
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文体が特徴的。洗練されてはいないが意識に残る。こういう癖のある文体が大好きだ。
メタフィクション的に、いくつもの資料の形で提示される文書を読み進めていくうちに、終盤になってすべての伏線が一つになっていく。解決したかと思うと、また覆される。その急展開は、まさに脳髄を引っ掻き回される感覚を引き起こす。面白くて一気に最後まで読み進めた。
もう一度読みたいと思いつつ20年が過ぎた。読了するのにエネルギーがいる本である。
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ブッダの夢: 河合隼雄と中沢新一の対話 (朝日文庫 か 23-3)
- 河合隼雄
- 朝日新聞出版 / 2001年2月1日発売
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賭博破戒録カイジ 全13巻 完結コミックセット(ヤングマガジンコミックス)
- 福本伸行
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賭博黙示録カイジ 全13巻 完結コミックセット(ヤングマガジンコミックス)
- 福本伸行
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7巻~8巻の「鉄骨渡り」は、人生・社会のメタファーである。時には人を蹴落としてでも、渡り切らねば死ぬ。
負けたものは死んだように生きるしかない、かように人生とは厳しく、孤独だ。だからこそ、他人とのつながりを求め続ける。
「黙示録」が強烈なメッセージ性を持つ名作であるのは周知の通りだが、この「鉄骨渡り」エピソードがあまりに重すぎて、私にとっては2年に1回くらいしか読み返すことのできない作品でもある。
主人公カイジの、うだつの上がらないながら心優しく温かい人柄が、この作品の大きな魅力であろう。
癖のある絵柄と言われるが、むしろ表情の微妙な違いや動きに想像力を刺激されるので、私は好きだ。
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トーマの心臓 (1) (小学館文庫 はA 3)
- 萩尾望都
- 小学館 / 1995年8月10日発売
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この作品が世に出た頃、私はまだ小学生で、漫画誌など読ませてもらえなかった。タイトルだけ知っていたもののずっと未読だった作品。
ここに描かれているのは、形ばかりのBLなどではない。
ドイツ、寄宿舎、天使のように美しい少年達、どれをとっても日本の少女たちの日常とはかけ離れた、ファンタジー的異世界において、香りのようにたちのぼり、蒸留され純化される「愛」そのもののかたちである。