ずっと気になっていた食人映画、ようやく観ました!すごく面白かった!
これだけ残虐描写が多い映画なのに、ものすごく真っ当な正しさを持った作りで安心してみれるところがいいですね。
主人公のジャスティンは育ちも良く頭も良い「意識高い系」女子で、「こう思っている私」とか「行動できる私」に陶酔しているタイプの人間です。
だから彼女は陰茎切除の習慣がある部族の話を聞いて「これはヒドい、何とかしなきゃ」と思い立つ。
すぐ実行に移す行動力は良いのですが、彼女は物事を窮屈な「正義」の枠組みに当てはめ、はみ出たものを「野蛮」だと決めつけてしまう浅慮な未熟さがあります。
何故そのような習慣があるのか、歴史的な成り立ちや文化的な背景はあまり気にせず、通りすがりの「正論」を振りかざす。
自分の言説に酔い信念が弱いまま「訴えのための訴え」を起こす奴らは日本にも世界にもいるわけで、とても普遍的な問題を抱えたキャラクターです。
そんな彼女が陳腐な正義を利用し金儲けを企む奴らの本当の野蛮さと、対話不可能な文化の恐怖を学びながら、命懸けで異文化交流の在り方を学んでいく。役に立たないと思っていたフルートが命を救ってくれる展開には素直に感心しました。
残虐描写も一つ一つにバリエーションがあって面白かった。食人描写の半分ギャグみたいな生々しさはもちろんですが、飛行機が墜落してパイロットの顔面に大木が貫通するのもスゴイ外連味溢れていて良かった。良かったと言っていいのかわからないけどw
食人描写でいえばヤクでぶっ飛んだヤハ族に噛み殺されるのが痛そうでしたね。痛みで事切れる感じが強烈でした。
不満だったところもあって蟻を使った拷問シーンとクズのアレハンドロの扱いですかね。
蟻のシーンは単純にインパクトがなかった。気持ち悪さはあったけど、骨になるまで蟻にむしゃぶられるくらいやっても良かったのでは?まぁダニエルは良い奴だったので、そこまで残虐にしなかったのかな?
アレハンドロの顛末は本当に残念で、彼みたいなケツメド野郎がどんな酷い方法で喰われるのかとワクテカしながら待ってたのに、消化不良も良いところ。続編のためとはいえ、ちゃんと決着をつけて欲しかった。続編でもがき苦しんで喰われる展開を期待しますw
- 感想投稿日 : 2016年7月26日
- 読了日 : 2016年7月26日
- 本棚登録日 : 2016年7月26日
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