これはすごく面白いなあ! 良作のバッドトリップ映画って感じ。
とにかく映像美がすごいよ。画面がアニメ化した初めの頃は実写のやり方でアニメを作ってて(メタ的に言えば薬の効きが悪い?)、たとえばホテルの部屋で主人公が屈んで棚を開く場面、あそこでカメラがまるで手持ちのように人物を追いながら不安定に揺れる。カメラマンのいないアニメじゃ絶対にそんなことはおこらない。とっても地味だけど、だからこそ演出へのこだわりようが狂ってる。もちろんアニメ的な幻覚の描写そのものも夢のように美しい!
トリップしてる世界が悪いのかってそういう倫理的に断罪するような話じゃなく、生理的嫌悪感を覚えるほどの技術の進歩をただただ突き抜けて描いてくれるのが本当にSFって感じで好き。原作とはかなり筋が違ってるけど、映像の作り込みとしては、原作者が同じ「ソラリス」に負けず劣らず頑張ってる。
欠点しては、人間の世界は主観で出来てるってのはわりと陳腐だし、前半の実写パートは後半の濃さと比べるとかなりたるい。そしてまた親子愛かよ… SF映画ってそればっかり。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
SF映画
- 感想投稿日 : 2016年3月1日
- 読了日 : 2016年3月1日
- 本棚登録日 : 2016年3月1日
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