妖怪学講義

著者 :
  • 講談社 (2010年4月3日発売)
3.20
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感想 : 10

明治20年の哲学館における最初の科目には哲学、倫理学と並んで妖怪学という科目が既にあった。
なぜ妖怪が九があったのか。人が妖怪といって恐れているものは実は迷信にすぎない。そんな迷信に惑わされてはいけない。迷信ばかりではない。思い込みや偏見にとらわれることなく、自分の芽で確かめ、自分の頭で考えることは不可欠である。つまり妖怪を恐れないことが自らものを考える営みとしての哲学の始まるである。
幽霊と妖怪は別物として考える。幽霊は定められた時に特定の相手を目指して現れる。それに対して、妖怪は特定の場所に現れて相手を選ばない。つまり妖怪は場所に、幽霊は人にあらわれるものとして区別した。
妖怪は民俗学の色彩が強くあるが、かたや幽霊は文学的な要素を多分に持っている。浮世の人間模様が背景にあるからこそ、幽霊話は文学であり、人情話にもなるわけです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: スピリチュアル
感想投稿日 : 2010年8月9日
読了日 : -
本棚登録日 : 2010年8月9日

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