アメリカの宗教右派 (中公新書ラクレ 291)

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  • 中央公論新社 (2008年9月1日発売)
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民主主義の拡大というブッシュ戦略には宗教的信念が影響した部分はあるだろうが、アメリカは民主主義を守る特別な役割を持った例外国家だ、という意識はアメリカ国民に広く共有された考え方であって、福音派の特徴ではない。

アメリカのカトリックの政治動向は日本ではあまり注目されていないが、2つの意味で重要。1つはカトリックには6,600万人もの信徒がいて単一の教派としては最大の勢力を持っている。もう1つの重要性はその膨大なカトリック票が共和党から民主党へ激しく揺れ動く究極の浮動票。だからカトリック票を制する者が大統領選挙を制するといっても過言でない。

ブッシュ大統領は、最も好きな政治哲学者はだれか?と聞かれたら、すかさずイエスキリストと答えた。さすがだ。面白い。
最近、日本ではなぜかサンデルが人気あるね。どうしてなんでしょうか? 
私はピーターシンガーが好きです。
まあシンガー好きなんて人は少ないでしょうね。でも彼はユダヤ人だから筋が通っているのだよ。

アメリカの東部私立大学はもともと宗教系だから、それらのサイトを見ると理解が深まります。
牧師の養成と子供たちの教育に注力した。会衆派はハーバードとエール。イギリス国教会はウィリアム&メリー大学、コロンビア。長老派はプリンストン。現在でもこうした大学で培われた人脈は政財界で強いネットワークを持っている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: アメリカ
感想投稿日 : 2012年1月20日
読了日 : 2012年1月20日
本棚登録日 : 2012年1月20日

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