覇王の家(下) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2002年4月30日発売)
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感想 : 112
4

小牧長久手の戦いをえがいたあと、
晩年の話に飛び、終結。

石川数正の話が面白かった。
秀吉が(―数正なら蕩せる。)と思っていたのにぐっと来た。
しかし、秀吉の元に奔っても、栄転しなかった数正が悲しい。

『功名が辻』を読んだ時にも思ったが、
今回も少しだけ言及されただけだけど、
司馬遼太郎さんは蒲生氏郷が好きなんだな、と思う。

家康に上洛せよと促す、秀吉の外交の使者、
織田長益、滝川雄利、土方雄久が三河から戻り、
織田信雄とともに秀吉に結果を報告するため夜急ぎ参り、
起きるともわからない秀吉を待つため、
寝所のそばで忠誠心を示すがごとく控えている様子が面白かった。
控えているとき、織田長益だけは退屈しておらず、
「欄間を見あげては、その透かし彫りについての講釈を
滝川雄利を相手にやっていた。」という描写があった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(戦国時代)
感想投稿日 : 2012年12月16日
読了日 : 2012年12月9日
本棚登録日 : 2012年12月9日

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