UXの時代――IoTとシェアリングは産業をどう変えるのか

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  • 英治出版 (2016年12月6日発売)
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副題が『IoTとシェアリングは産業をどう変えるのか」である。 IoTやAIなどの技術進化によって、さらに多様な分野でシェアリングが進み、社会は変革される。その中ではモノの豊かさではなくユーザ体験 ― UXが重要になってくるというもの。垂直統合型から水平協働型の社会になっていく中で、UXはユーザ起点となり、水平な連携をもって創り出されていくという形になっていくというのが著者の主張だ。

著者の主張は、クリス・アンダーセンの『フリー』や、ジェレミー・リフキンの『限界費用ゼロ社会』を下敷きにしたもので、技術進化により、ビジネスの前提が大きく変わる。その中で、われわれはどう準備して、何をするべきなのかといったことが書かれている。背景にある大きな流れはケヴィン・ケリーの『〈インターネット〉の次に来るもの』に書かれた

書かれている内容は、おそらくはそれほど目新しいものはないかもしれない。ただ、著者自身の起業経験に基づく苦労話はやはり実際にやってきた人ならではのものだ。日本の規制、行政、会社組織の課題点はなかなかに重たい。シェアリングということに関して言うと中国の方が断然に前に進んでいる。残されてる時間はとても少ないのかもしれない。

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『限界費用ゼロ社会 〈モノのインターネット〉と共有型経済の台頭』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4140816872
『フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略ー』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4140814047
『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4140817046

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2017年8月19日
読了日 : 2017年4月13日
本棚登録日 : 2017年4月12日

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