狙ったものであろう、非常に後味の悪い読後感。
大人の都合によって、社会から消えていく、あるいはいなかったことになっている子どもたちのルポ。
大人の「自己責任」に子どもが巻き込まれ、「個人情報保護」に阻まれて見つけることも救うことも困難になる。変な「公平感」によって、コミュニティは崩壊して家族以下の単位になっていく。
大人の自己責任はある程度やむを得ないと思うけれど、そこに子どもが(しかも書類にのらずに)関わってくることへの、行政や社会の想像力と対応力の欠如を感じます。
一方で、自分の子や、将来孫がそうならないかと考えた時、絶対に大丈夫だと言い切れない縁の細さ。答えがないのに、何度も読んでしまいました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
3 社会科学
- 感想投稿日 : 2012年6月3日
- 読了日 : 2012年5月25日
- 本棚登録日 : 2012年5月25日
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