害虫の誕生: 虫からみた日本史 (ちくま新書 793)

著者 :
  • 筑摩書房 (2009年7月1日発売)
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本棚登録 : 157
感想 : 21
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たたりだと思われていた害虫の大量発生。ヨーロッパでも、昆虫学と害虫はレベルの違う話として扱われていたといいいます。天災の一つ、あるいは「たたり」であった虫害が、人が記録し発信することで、はじめて「発見」されたという現象。
人が制御できないものから制御できる(ように見えるもの)へ、イデオロギーの衝突、別のところへ移してしまいたい、という地元の考え、メディアの役割、兵器転用、そして変化させてしまった環境への問題。人はこういうことを繰り返していくのだなあ。同じ結果でも、良くなっているか、悪くなっているかは知識と立場次第だと痛感する本です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 4 自然科学
感想投稿日 : 2012年5月30日
読了日 : 2012年5月30日
本棚登録日 : 2012年5月23日

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