興味深いのは、著者が「林業」ではなく、「森林」ジャーナリスト、である点です。
「木」は呼吸と光合成のバランスにおいてCO2を減らす側に働くけれど、森林という単位で見れば、それはほぼ拮抗するので森林はCO2を吸収・固定化しないとか、保水力は森林の木ではなく地盤で決まるとか、むやみにブナを植えても幸せにはなれないとか、山村の収入源は、元来は建築用材ではないとか、建築用材はあくまで森林産出物の極一部であるべきだ、的な話とか。
全部が全部納得できる話というわけではありませんでしたが、森林の「機能」に、過剰にあるいは盲目的に何かを期待するのだけではイカンなあと思ったのです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
4 自然科学
- 感想投稿日 : 2012年3月4日
- 読了日 : 2012年3月3日
- 本棚登録日 : 2012年3月3日
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