過去の幻影にとらわれ、亡き妻に似た女性を追うユーグの物語というよりは、作者のはしがきに生きているとおり、ブリュージュという都の物語と意識して読むほうがひろがりがある。ただ、現実のベルギーの都ブリュージュは作者の生前から、「死都」などと形容されることに異議を唱えるような、美しい観光都市である。フェルナン・クノップフに深い感慨を持つ画家として、私はこの作品を読んだ。珠玉の名品。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外文学(翻訳)
- 感想投稿日 : 2012年11月3日
- 読了日 : 2012年2月23日
- 本棚登録日 : 2012年2月23日
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