世界の歴史 (23) アメリカ合衆国の膨張 (中公文庫)

  • 中央公論新社 (2008年10月25日発売)
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奴隷制でこそ利益を上げえたプランテーション経営を主にする諸州の併合=膨張は、奴隷制に反対する北部(早い時期から合衆国であった先進的諸州中心)との対立構造を内包していた。しかし、膨張せざるをえない時代の趨勢があった[p131]。必然的に南北戦争が起こり、北部が勝利して南部をねじ伏せる形で決着する[「軍事的圧力、制圧p214]。その奴隷解放は、クー・クラックス・クランなど破綻の水漏れがすぐに出てくる。

アメリカ社会は、初期は農業が優勢であったが、しだいに圧倒的な工業化を達成。その移り変わりは、奴隷解放を促したのであろうか。また、文化的な側面も、初期のイギリス、欧州依存から、次第に独立していくが、その特徴は国家に神話や古典がないということだった。ヒーローものの伝統は、それらがない人々の拠り所となるように育まれ現在も続く独自性の一つ[p358]。しかしやはり、最大の特徴はときには低俗化とさえいわれるような[※エドガー・アラン・ポーが嘆いたような、p406、※あるいはフランスとは異なる映画のあり方の違いにもあらわれるような、p478]民衆の影響力、熱気のようなものか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 世界史
感想投稿日 : 2013年5月19日
読了日 : 2013年5月18日
本棚登録日 : 2013年5月14日

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