クマが語っているような本。血から狩人で65年間一度もクマに傷つけられたこともない姉崎等さんは、「クマが師匠」と断言する(p14など)。山に入っていき、クマや獣の身になって考える(p171「私がいイタチだったらこんなところは歩かないでここを歩く」など)という。そうしていると、狩人は獣になっていく。おそらく、自身が知らないうちにそうなってしまう。
迷信深いわけではなく(p169「真に受けない」など)とても現実的に実証的に(p127の解体など)行動する。また、映画の撮影に協力したり、そもそもこの本のために協力しているし、大学の研究に協力して自身の「読み」が正しいことを証明してもらう(p283)など、偏屈なわけでもない。
生き残るため、狩るために行動しているうちに、獣になる本。※カルロス・カスタネダとドン・ファンの対話と似ている。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
現代作家
- 感想投稿日 : 2012年12月4日
- 読了日 : 2012年12月3日
- 本棚登録日 : 2012年11月15日
みんなの感想をみる