戯言V系»
DVDいっぱい並べるぞー(^^;
レビュー by shadsysさん
【記憶がなくなれば、人間の存在などというものは摩訶不思議なものだ。】
序盤は記憶喪失の男の新生活を、自らの新生活のように楽しみ、中盤はちょっと激しい性の内容にどぎつさを覚えてやや嫌悪。
しかし、後半、怒涛の種明かしで転地がひっくり返る驚きをくれた。
「記憶がなくなれば、人間の存在などというものは摩訶不思議なものだ。」と語られるように記憶喪失になった主人公の主観で丁寧に語られる本作は、筆者の見事な表現力によって活き、まさに自分が異邦を彷徨っているかの気分にさせる説得力がある。
それは最後の主人公の気持ちの吐露で爆発する。
これほど激しく慟哭する感情をぶつけられた作品は久しぶりだ。
結局、御手洗がいうように「各人の世界はこの(頭脳)中にある」のかもしれない。でも自分の世界は自分だけの世界では成り立たない。逆に人との繋がりによって各人の世界が成り立っているという事をも認識できた。
最後まで読むと良さが解る渾身の一作。
登録日 : 2009年04月17日 22:09:19


コメント
まだコメントはありません。