明日美子さん目当てに買ったVol.11で連載の途中をふと読んだだけで強烈にその濁流に呑み込まれてしまったルネッサンス吉田さんの特集号。
この人の漫画は凄い。凄まじいとしか言い様のない何かがそこにある。漫画でありながら同時に文学であり映画である。絵はいわゆる上手いというのではない、しかし恐らく人間とはこうであるし・登場人物の個性や過去に依存しない本質のようなものがある。言語感覚のセンスがぞくぞくするほど鋭くてたまらない。
描かれる人々それぞれの淡々と壮絶な悲しみが、この人のもつ独特の諦念というか「どうしようもなさ」というか、そういうものと溶け合ってなんともいえないやるせなさを醸す。はやく単行本化しないものか。
明日美子さんの卒業生は相変わらずのクオリティに迷いのない美しい線ですばらしかった。最初に比べてずいぶんくだけた二人の雰囲気やだんだんと顔立ちが大人っぽくなってきているのが自然ですてき。でもそろそろ強烈に濃い物語をひとつお願いしたいころ。
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カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2008年11月16日
- 本棚登録日 : 2008年11月16日
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