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shengnaiさんの本棚 > 海の底


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ネタバレ多いし、かなり贔屓目なのでご注意くださーい!

レビュー by shengnaiさん

 読み終わった  読了日 : 2009年12月17日  5

私のレビュー、ネタバレ多いので、読んでない方、要注意。




春先、横須賀に巨大甲殻類上陸。
米軍基地の祭りに来ていた市民たちが、
次々と
食われていく。
そして、停泊中の海上自衛隊の潜水艦「きりしお」に乗員2人と、未成年13人が取り残された。

「きりしお」に逃げ込む際、敬愛する艦長が食われた。
子供たちと、夏木・冬原を守るために。
遺体は、腕一本。
夏木と冬原は、艦長の腕を冷蔵庫に入れようとした。
子供たちはおびえる。冷蔵庫に、死体を入れるなんてと。
夏木は怒りを爆発させ、冬原はえげつない言葉で子供たちを追い詰める。

私には、敬愛する誰かが目の前で食われたことなんてありません。でも、うまい言葉が見つからないけど、愛する人が食われるのをなにもできぬまま見てるなんて、想像だけでも、耐えられません。
でも、私も、そのときの子供たちの立場だったら、きっとおびえた声を上げたと思います。艦内に落ちた腕を、拾い上げるなんて、絶対できなかったと思います。


両親をなくし、おば夫婦に引き取られた、望。
母親の思う通りに動かされてきた、圭介。
声の出せない望の弟、翔。

こらえることのない涙をこらえ、理不尽な怒りを俯いて唇をかんで殺す望。
なんとなく似てるなって思いました。
わたしなんかと比べるのが申し訳なくなるんですけど、私も、怒りを押し殺して下唇を噛んで俯くタイプなんで。激怒したら本気で怒鳴り散らしますけど、黙ってることが多いです。

生理に夏木が対応することで、女子一人っていうのが浮き彫り出てきたと思います。
私も、「生理めんどー」とかよく言っていたから、反省しましたね。あぁ、十分なんだなぁって。

夏木の言った台詞、ぐさっときました。
恥ずかしいとは思うけど、生理来るのはお前のせいじゃないんだから謝るな、って。
確かに、体の正常な機能で迷惑かけても、私のせいじゃありませんよね。
でも、謝るでしょうそこは。まぁ、そう言うところが夏木のいいところですよね。


夏木が夜、冷蔵庫の前で手を合わせ嗚咽を漏らす場面、思わず涙がこぼれました。
大切な人を失い、昼間はなくこともできない夏木と冬原。
やっぱ大人なのかな。私だったら、感情を抑えきれずに、子供たちを責めると思います。お前たちさえいなければって。
夏木は最初一回言っただけで、もう抑えている。抑えていることで、その悲しみの大きさがわかりました。



「森生望、森生翔」
「もりをのぞみ、もりをかける」

名前って大事なんですね。親の気持ちが詰まっている。
私の名前も、親がかなり議論して決まったそうです。
名前って変えられるらしいですけど、それ、かなりの親不孝ですよね。私は将来、作家になりたいと思っているんですけど、ペンネームではなく、親のつけてくれたこの名前で本を出したいです。



「きりしお」から救出されるとき、望が「私のことは忘れてください。さよなら」って言ったんです。
あぁ、望はあきらめちゃうんだ。もう、夏木のことはしまっちゃうんだ、ってすごい切なくなったんです。
そこはハッピーエンドじゃないんですか?
って感じでしたね。
でも、艦長を言い訳にされると、何もいえませんね。自分がいなければ、その人は助かったはずなんだから。自分が殺したようなものなんだからって。
確かに、幸せに始まったほうが、いいとは思いますよ。誰だって、最初は憎まれてた、なんてイヤですよ。でも。
残念です。

って思ってたらなーんだ。
5年後、綺麗になった望再登場。
ほっとしました。
忘れて、再スタート。
そういう意味だったんだ。一本とられましたね、夏木。言い訳を逆手にとられちゃって。

望・夏木ペアの番外編が「クジラの彼」に載ってます。
ちょっとイメージと違う二人になるかもしれませんよ。


私、この本を読んで、えびが食べられなくなりました。
この前、夕食でエビフライが出てきて、どうしても口に入れられなかったんです。なんか、妙に怖いというか、気持ち悪いというか。 登録日 : 2009年12月17日 19:51:54


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