トムの天真爛漫さに注目してしまいがちだけど、
語り手の的確で辛辣な風刺精神が、
ずば抜けていると思う。
子どもの社会というのは、
ある意味では、大人社会の縮図であり、
人間同士や社会との関係が手垢にまみれ、
にごっているかどうかの
違いなんだと思う。
大人である語り手が、
透き通った眼を持ち、
ユーモアとともに、人間関係の理を見通せていることは、
語り手がいまだに童心を持っていることに他ならない証拠でもある。
ただ、この作品当時の社会(大人たち)は、
今に比べるとまだまだ単純で素朴であることも、
この作品に安心感を感じる要素になっていると思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2014年1月13日
- 読了日 : 2014年1月13日
- 本棚登録日 : 2014年1月13日
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