スローバラード Slow ballad

著者 :
  • 実業之日本社 (2016年9月9日発売)
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本棚登録 : 309
感想 : 59
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 弓島大シリーズ第4作。冒頭で前3作の内容を簡潔に紹介してくれているが、完結編という解釈でいいのだろうか。
 ダイ、ヒトシ、ワリョウ、淳平ももう50を過ぎ、それぞれに家庭を築いていた。過去の作品に顔を出していた人達も年を取り、次の世代が暮らし始めている。シリーズを読んでいる者には感慨深い。今回は、ヒトシの息子で高校生の智一の家出がきっかけとなり、ダイと三栖刑事が奔走する。真相は四人(と亡くなった真吾)が封印していた過去と関係していた。
 ご都合主義は相変わらず。ダイの直感は正しいし、三栖刑事のおかげで捜査情報は手に入るし、ハッカーまがいの若者のおかげでネット情報の入手もお手の物。人脈が絶妙というところだが・・・・
 ハードボイルドばりにマイルールで行動するのもよくあること。遵法が必ずしも正しいとは思わないが、あまりに多用されると倫理観が安くみえてしまい、つい、皮肉を思いつく。信念をもった善人ほどやっかいなものはないと。もちろん、主人公たちだから話はちゃんと落ち着くのだけれど。
 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2016年10月7日
読了日 : 2016年10月7日
本棚登録日 : 2016年9月9日

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