この手の『問題解決法』な分野は人に教わったことがなく、実戦でなんとなく身に付いたものが多く、本として体系だったものに触れるのを楽しみにしていました。
偶然出会った本書ですが、そんなに間違ったことはしていなかったようで、ほっとしました。
冒頭の大前研一氏の言葉で心をまず鷲掴みにされます。
丸暗記の知識は役に立たない
「IT頭脳」とは、私に言わせれば、ボーダレスに通用するロジカル(理論的)な頭脳である。では、ボーダレスに通用するロジカルな頭脳をつくるために教育がやるべき事は何か?私は2つしかないと思う。1つはロジカル・シンキング(理論思考)の回路を確立すること、もうひとつは英語などの語学とITを身につけることである。
理論が完璧な頭脳であるかどうかは抜けば、割と私のキャリアと重なることが多いようです。英語が不自由だった、当時学生の私が、心理学をあきらめ、コンピュータサイエンスを専攻することになったのは、振り返れば奇跡だったのかもしれません。
本書前半は、大前研一氏のこれからの社会を生き抜く術、後半はそれを実戦する演習の構成になっています。個人的には前半の蘇生術の部分が非常に興味深く感じました。前に読んだダニエル・ピンク氏の『ハイコンセプト』に近いものがあり、社会のグローバル化が進み、知識労働者がどのような進化を遂げるべきかは、これからも非常に興味のある分野です。
統計によると、いわゆる「Change Maker」というのは人工の2-3%にとどまるようです。このような変化を起こせる人の育成に自分の知識が少しでも役に立たないかと思いは高まるばかりです。
- 感想投稿日 : 2012年1月28日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2012年1月28日
みんなの感想をみる