ヒロシマの嘘: 写らなかった戦後

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  • 現代人文社 (2003年7月1日発売)
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「独立不羈」という言葉がある。一切の束縛なく、自らの信念に従って行動することの意だが、そんな人物はめったにいない。だがこの人こそは数少ないそのひとりだ。福島菊次郎90歳。大正生まれで戦時中は生粋の愛国青年。だが、戦後は一転して反権力の闘士に。きっかけは広島で出会った被爆者の漁師と10年にわたる葛藤に満ちた撮影行だったという。この人にとってカメラは安易な自己表現の手段ではなく、社会の悪と対峙し、対決するための武器なのだ。戦後から今日に至るまで、さまざまな社会的理不尽を追求し、90歳を越えた今でもその探究心と正義感は衰えを知らず、今現在、「反原発デモ」の写真を撮る。主要メディアのジャーナリスト達は彼の爪の垢を煎じて飲むべきだ。

読書状況:積読 公開設定:公開
カテゴリ: 社会問題
感想投稿日 : 2012年8月19日
本棚登録日 : 2012年8月19日

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