「独立不羈」という言葉がある。一切の束縛なく、自らの信念に従って行動することの意だが、そんな人物はめったにいない。だがこの人こそは数少ないそのひとりだ。福島菊次郎90歳。大正生まれで戦時中は生粋の愛国青年。だが、戦後は一転して反権力の闘士に。きっかけは広島で出会った被爆者の漁師と10年にわたる葛藤に満ちた撮影行だったという。この人にとってカメラは安易な自己表現の手段ではなく、社会の悪と対峙し、対決するための武器なのだ。戦後から今日に至るまで、さまざまな社会的理不尽を追求し、90歳を越えた今でもその探究心と正義感は衰えを知らず、今現在、「反原発デモ」の写真を撮る。主要メディアのジャーナリスト達は彼の爪の垢を煎じて飲むべきだ。
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カテゴリ:
社会問題
- 感想投稿日 : 2012年8月19日
- 本棚登録日 : 2012年8月19日
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