中世史研究の基本文献を集めています。なお、全部読んだわけではありません(笑)。
中世流通構造論の必読文献。荘園制に規定された経済構造理解から、荘園市場の発達を解明し、また京都に物資が集中すると流通構造を理解。13世紀における代銭納制の浸透過程を実証。
大山喬平著、初出1978年
中世対外関係史研究の基本文献。日明・日朝関係を中心に幅広く分析。とりわけ難解な禅宗関係史料の積極的活用は面目躍如。今や常識的な「東アジア世界」の視点を開拓した、史学史的意義の大きい一冊。
言わずと知れた中世後期政治史研究の必読文献。足利義満と天皇との壮絶な権力闘争を描く。 その権力描写は勇み足な点も多く、研究史的に継承された点は意外と少ない。しかし当該研究に絶大なインパクトを与えた記念碑的存在であることは確か。
中世後期政治構造論の主要文献。著者は「室町幕府−守護体制」論の主要論者。室町期の政治構造を幕府と守護の関係に注目して論ずる。 中世後期における地域権力研究の中心的位置を担っており、活発な議論を惹起した刺激的研究。
従来手薄であった伊勢−関東間の海運を実証した名著。特に品河湊「湊船帳」の分析は高く評価されており、必読。
中世商業史研究の古典的名著(初出1952年)。今の産業・流通・為替・商人論は、すべてこの研究を乗り越えるところから始まっている。
中世経済構造論の主要文献。中世後期は、従来の荘園制的枠組による京都を中心とした「求心的流通構造」が変質し、各地域の流通拠点を中心とした「地域経済圏」が誕生したと述べる。その是非を巡っては現在も議論が続く。
中世経済史の主要文献。発展段階論的枠組を批判し、単純な経済発展理解を相対化する。 中世社会を「非近代」と評し、15世紀に経済的ピークを設定し、16世紀の断絶から「近代化」の出発を説く。
戦国期法制史研究の必読文献。戦国大名分国法の法理念を明快に分析。
戦国期近江国における地域社会の組織形態を「社団」の視点から論述。当該期の在地構造を理解する上で参照すべき書籍。
1970年代以降、一向一揆研究を主導した著者による、初めての論文集。加賀一向一揆の組織形態や、石山戦争の歴史性を、「宗教一揆」の視点から論じている。所載の関連研究史整理も有用。