敗者の条件 改版 (中公文庫 あ 1-5)

著者 :
  • 中央公論新社 (2007年2月1日発売)
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本棚登録 : 196
感想 : 22
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勝つ方法の前に負けぬ方法を知ること。
書店に行けば経営や営業、コミュニケーションの必勝法の本が所狭しと並べられている。
しかし負けないため(だけの)方法についての本は少ない。方法というより気持ちの持ち方。今風に言うならメンタリティー。作中では何度かマキャヴェリの「一旦反抗し、自分が処分した人間は二度と容れるなかれ」の言葉が出てくる。なんて耳障りの悪い。後味の悪い言葉。売れる本の殆どが、ヒューマニズムについて語っているというのに。でもそれは絶望的な言葉ではなく、ゆとりと呼ばれる私にとっては、今生きている自由競争社会のなんたるかを示すものであり、また、本当のヒューマニズムとは何かを示すものものでもある、指針のようなものに感じられた。作中では戦国時代の武将を例に出しているため、共感しにくい部分もあるが、今も昔も変わらない競争原理ということなのだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年9月6日
読了日 : 2016年9月6日
本棚登録日 : 2016年9月6日

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