迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル? (GA文庫 は 4-1 迷宮街クロニクル 1)

著者 :
  • SBクリエイティブ (2008年11月15日発売)
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感想 : 13
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★現代日本にモンスターがあふれるダンジョンが現れました!★

要約すればこういうお話。
現代日本だけあって、ダンジョンへもぐる事が生活へ繋がっているというなんとも不思議な雰囲気。
モンスターを倒して、死体の一部を削ぎ取れば現代でも合成が難しい物質成分が豊富に取れるため、現代のゴールドラッシュとも揶揄される職業:剣士。
また、ダンジョンの中にはエーテルという魔力に近いご都合主義物体が漂い、それを使って魔法とかモンスターとか色々出来るようになっている。なので、現代とファンタジーが妙に融合している。

ただし、RPGと一番大きく違うのが、「死んだら終わり」という現実の不文律。
回復魔法みたいなものはあれど、死者をいきかえす事は出来ないこの世界。しかしダンジョンには殺意を持ったモンスターがおり、それを倒す事で大金を得る。
現代日本で生と死が隣合わせの生活をし、実際に登場人物が軽々と死に、例え生き延びてもその冒険者達以外の一般人との意識の齟齬が産まれる事のジレンマ。
戦闘シーンよりも、どちらかというとその冒険者の街に住む人間描写や、戦闘に挑む迄の過程が多めで、さらにそちらの方が大体面白いのです。

で、こちらは実は元Web小説が商業化されているものであり、元はWizardry1の同人和風アレンジ小説でした。
たしか、執筆中は、登場人物全て(主人公含む)に死亡率とダイスロールをしており、容赦なく死なせてたんだそうで。
Wizardryという元ネタと、その辺の裏事情を知ってると尚面白いかも

商業版はWeb版にあった場面が削除されてたりするのが難点かな・・・。
もちろん追加シーンはあるからボリュームは増えてるんだろうけど。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 現代ファンタジー
感想投稿日 : 2011年9月20日
読了日 : -
本棚登録日 : 2010年9月16日

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