裁判員のあたまの中: 14人のはじめて物語

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  • 現代人文社 (2013年11月1日発売)
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感想 : 8

裁判員経験者の田口さんといろんな事件の裁判員経験者12人のインタビュー・同じ事件の裁判員だった方との対談・フット先生や杉田宗久さんからのコメント。読みやすくまとまってる。
裁判員は東京地裁のものが多いほか、千葉、さいたま、京都なども。裁判官の立場としてやはり気になってしまうのは「裁判官の印象」。知っている裁判所の事件は「あの合議体だな」と想像つくものだったり。「こういう発言がこんなふうに印象に残るのか」というのもこれからの参考になりそうだった。
私自身、死刑事件に関わったことがないのでそのときの気持ちなど、自分もそういう風に感じるかもな・・・と思いながら読んだ。
裁判員それぞれにいろんな見方があるというだけでなく、事件はほんとうにそれぞれ多種多様でいろんなことがあるな、というのも印象の一つ。そして、この範囲なら書いても問題ないな、とも思った。自分の経験した事件も、思い返してみればいろいろある。
裁判員終了直後のアンケートの数字は、ようやく結論も出て重荷も降りる最終日に行われているものだし裁判所の中で書いてもらって集めるものなので、正直言って裁判所に良いバイアスがかかっているんじゃないかとあまり信用していないのだけど、このインタビュー集みたいな事後的・裁判員=裁判員で語られた内容はとっても参考になるなと思った。
終了直後に眼底出血した方の話やすごく浪費したというような人の話を読んで、ショック&自分もずっと「一番裁判員に近いビギナー」のつもりでいたけれども30件ぐらい裁判員を経験するうちに最初の裁判員で感じたストレスなどとだんだん違ってきていることに気づかされた。初心を忘れてはいけない。
もっといろんな裁判員経験者のこういう事後的な声を聞きたいと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2014年2月16日
読了日 : 2014年2月11日
本棚登録日 : 2014年2月11日

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