リップヴァンウィンクルの花嫁 [DVD]

監督 : 岩井俊二 
出演 : 黒木華  綾野剛  Cocco 
  • ポニーキャニオン
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5

臨時採用の教師をしている七海はSNSで出会った男といとも簡単に付き合うことになり、結婚することになる。
親が離婚していることも、親戚や友人があまりいないことも相手の親には言えず、体裁からサクラを雇うことになり、やはりSNSでアドバイスをくれた人の紹介で安室と名乗る何でも屋兼俳優と知り合う。
しかし、夫の浮気を疑っていたある日、浮気相手の彼氏が突然訪ねてきて、やがて脅されて安室に助けを請うが、それは全て姑の仕組んだことで、安室は依頼を受けていた相手だった。
それを知らず、助かったことに感謝していた七海は、法事で姑に全てを突きつけられ、言い訳も聞入れられず、離婚させられてしまう。
とりあえず辿り着いた五反田のホテルでバイトを始めるが、安室に何かとバイトを紹介され、結婚式のバイトで売れない女優だという真白と出会う。
その後、100万円のメイドの仕事を半ば強引に安室に紹介され、同じくメイドとして暮らす真白と再開し、仲良く幸せで贅沢な日々を送る二人。
家には毒のある生物が水槽に並んでいた。
真白が実はAV女優でその家の借主で雇い主だということを知ってしまった後も、七海は真白とともに暮そうとする。

ある日、二人で結婚式の真似事をして、一緒に死んでって言ったら、死んでくれる?という言葉に頷く七海。
翌朝、目覚めると葬儀屋と安室がいて、真白は死に、七海は生きていた。

お葬式、実の母親へお骨を私にいくシーン、一人で暮らし始める七海。
最後には予告編にあった白い猫の被り物の下で笑う七海。

謎は多いけれど、美しい映画だった。
リップヴァンウィンクルはアメリカ版の浦島太郎だそう。
脆くも崩れ去ってしまう、決して分かり合えない、感性の合わない人もいる現実、真白との夢のような日々、そして何もないけれど、幸せな現実。
真白と結婚した時の見えない指輪を想う。
痛みと幸せが不思議と共存するいい映画だった。
リリィ・シュシュのすべてと同じくらい良かった。
最後妙に切なくて晴れやかな気持ちになった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 31歳【2016-】
感想投稿日 : 2017年2月6日
読了日 : 2017年2月6日
本棚登録日 : 2017年1月19日

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