プロパガンダ・ゲーム(16年版) [Kindle]

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  • 2016年9月10日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 広告代理店の行われたゲーム形式の選考。それは架空の国における戦争推進派と反対派に分かれて架空の国民に対してプロパガンダを行い、ゲームの最後の国民投票によって勝敗が決まるというものだった。
    勝敗によって選考が左右されるものではないが、4人チームで協力しあって自分のチームの主張を国民に浸透させて行く。
    ゲームの仕組みは良くつくられていて、やる側も就活生ということもあって机上でしか学んでない経験の浅さみたいなのもうまく描かれていたと思う。
    登場人物が多いことからそれぞれのキャラにあまりインパクトがなかったが、このゲームをやりました、というだけでは終わらず、やったことで感じたことを別の次の形に進化させて行くところまで書かれていたのは意外だった。現実味があるかどうかは別として。
    広告会社とメディアと政府がお互いにもたれあっているのは周知の事実だが、学生などが読んだら新鮮に思えるのかもしれない。

  • 2018.4.21読了。
    ラストの、その先まで、描いてほしいと思える作品だった。
    目にする情報に偏りはないのか?
    事実がありのままに報じられているのか?
    情報の取捨選択が必要だと頭では理解していても、普段から報道を疑ってかかる人はどれくらいいるのか。
    飛躍しすぎと感じる部分ももちろんあるけれど、ノンフィクションとして起こりうると感じる怖さもあった。
    もうひとつの『プロパガンダ・ゲーム』も、近いうちに読んでみます。

  • 週プロ定額購読のために申し込んだKindle Unlimitedサービス。
    せっかく読み放題なんだから小説も少し漁ろう、ということで
    深く考えずにチョイスしたのがこの根本聡一郎作品。

    そのものズバリなタイトルと挑発的な表紙のデザインで最初は
    軍事モノだと思ったのだが、なんとこれは「就職」の「最終選
    考」の様子が描かれた物語。

    大手広告代理店(モデルは間違いなく今話題のD通^^;)の最終
    選考に残った男女8人が「政府」と「レジスタンス」の2チーム
    に別れ、バーチャル国家「パレット」が行おうとしている「戦争」
    についてそれぞれの立場で広報活動を行う。決着はバーチャル
    国家国民の「投票」で行われ、政府側は賛成、レジスタンス側
    は反対の結果を目指す、という内容。

    およそ8割はこの「プロパガンダ・ゲーム」と名付けられたゲー
    ムの実況。それなりに文章量はあるのだが、展開がスピーディ
    ーかつスリリングなのであっという間に読み終わってしまう。
    刻一刻と変わっていく状況に手に汗を握らずにいられない状況。
    そしてこの作品のポイントは“ゲーム終了後”にあり、そこを読
    んだらで誰もが唸るハズ。かなりの傑作、と言っていいと思う。

    実際に近場で起こりうる話であり、そういう怖さに溢れたエピソ
    ード。あの仕事に着手した時、ボスに「返事はハイかイエスだ!」
    とハッキリ言われ、麻薬に侵されたかのようにその言葉通りに動
    き続けてしまったことを思い出した・・・。

    ・・・正直、Unlimitedで読んでしまったのが申し訳無いくらい(^^;)。
    お詫びにUnlimited対象になってる根本聡一郎作品、全部読ませ
    て貰います!10ページ読めばメーカーに1冊売れたとカウントさ
    れるらしいので(^^;)。

  • 大手広告代理店「電央堂」の最終選考に残った男女8名の大学生。学生たちは2つのチームに分かれ、SNS上で情報戦「プロパガンダ・ゲーム」をすることになった。
    面白かった!!
    どちらのチームが勝つのか。情報を集め、効果的に流し、いかに市民の賛同を得ていくのか。
    ラストがやや弱いのが残念。
    (電子書籍 kindle)

  • 小説として読んでもノンフィクションと読んでも面白い。
    限りなく事実に近いと思うと恐ろしい。

  • 広告業界ってろくでもないから,この話が本当だったりして。

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著者プロフィール

福島県いわき市出身。1990年生まれ。東北大学文学部卒業。東日本大震災をきっかけに、学生時代からのNPO活動と並行して小説を書き始める。2016年、Kindleダイレクト・パブリッシングで個人出版した『プロパガンダゲーム』が大きな話題を呼び、2017年双葉社より書籍化。その他の著書に『ウィザードグラス』『宇宙船の落ちた町』など。

「2020年 『人財島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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