天国旅行

著者 :
  • 新潮社 (2010年3月1日発売)
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本棚登録 : 2286
感想 : 432
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樹海で自殺に失敗した中年男性。そこで出会ったのは自衛隊隊員風の青木青年で・・・「森の奥」
死んでしまえばよかったという「あの時」。省みつつ回想する私ときみのものがたり・・・「遺言」
祖母の初盆にやってきた客が語る、不思議な祖母の過去の話・・・「初盆の客」
幼いころから夢に見る、小平という名の男。彼はきっと、前世の恋人だったに違いない・・・「君は夜」
何もかもパーフェクトな高校の先輩が焼身自殺した。先輩の彼女と共に、その理由を探る私だったが・・・「炎」
死んでしまった恋人と一緒に走る、時速83キロを超せないドライブ・・・「星くずドライブ」
細かな泡が立ち上っていく。そんな夢を見る、一家心中で生き残った男の話・・・「SINK」

「森の奥」「初盆の客」「SINK」がよかったな。
特に「SINK」のラスト1ページは涙なくして読めない。
たすけてと呼べば応えるもののいる、信頼と希望に満ちた物語を、本当は誰もが求めているのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ま行
感想投稿日 : 2010年12月1日
読了日 : 2010年6月27日
本棚登録日 : 2010年12月1日

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