ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の研究における最新の知見と現状および将来と、BMIと社会とのかかわりを紹介した一冊。
BMIの研究が進むにつれて、これまで主流であった脳機能局在論(脳の諸領域は別々の機能を担う)ではなく、脳機能分散論(脳の機能単位を単一ニューロンではなくニューロンの集団と考える)の正当性が高まり、脳の驚くべき可塑性が証明されつつある。その結果「BMIは脳を変えることができる」ことが明らかになり、実用化に加速度がついている。けれども、「神経科学による脳の解明を待たずに脳の操作に着手すれば、それは第2のロボトミーとなる危険が大きい」と著者は警鐘を鳴らす。。
BMIの進展は、容易に心や行動の操作を射程圏内とするだろう。そのときに、科学は常に倫理と隣り合わせであることを忘れずにいられるだろうか。
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- 感想投稿日 : 2014年11月15日
- 読了日 : 2014年11月15日
- 本棚登録日 : 2014年8月29日
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