オレたち花のバブル組 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2010年12月10日発売)
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巨額損失を出した老舗リゾートの再建に半沢が指名される。
行内では合併後の派閥争いがうずまき、同族経営の老舗リゾート内でも何やら怪しげな動きが。
そんな中、金融庁検査が行われる。噂の検査官黒崎と半沢の対決の結果はいかに?

うーん、絶妙なんだな。
仕事人みたいにトコトンまで落ちてしまうと「倍返し」しても悲痛で後味が悪いわけで。あー、これってツライ、マズイ!って焦ったところでサっと上向きに切り替わる。そのタイミングがいい。
今回は近藤さんの脆さにドキドキしっぱなしだった。
半沢さんはなんとかするでしょっていう安心感があるけど、近藤さんは病気のこともあるし、彼の苦悩は行内の派閥とか出世ジェットコースターとかよりずっと身近なんだもん。

「ノーに比べたら、イエスは何倍も簡単なんだ。だけどな、オレたちサラリーマンがイエスしかいえなくなっちまったとき、仕事は無味乾燥なものになっちまうんだよ」
池井戸氏の本は現場で踏ん張る叔父様が素敵なんだけど、今回はその影が薄い。近藤さんや半沢さんが踏ん張ってたからね。

「人生は一度しかない。
たとえどんな理由で組織に振り回されようと、人生は一度しかない。
ふて腐れているだけ、時間の無駄だ。前を見よう。歩き出せ。
どこかに解決策はあるはずだ。
それを信じて進め。それが、人生だ。」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年11月12日
読了日 : 2013年11月11日
本棚登録日 : 2013年11月10日

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