人形について小説を書くため、調べている途中で出会った本。執筆前に出会えて良かったと思う。多少読み過ぎのきらいもある気がするが、著者・佐々木氏の、詩人の鋭敏な感性が、様々な人形を取材するにあたっては見事に響き合っているように感じられる。ひとつひとつの章を辿るたび、前の章と連続しているようであり、まったく新しいようでもある人形に、また人形作家(という言葉が適当かどうかはわからないが)に出会える感覚がある。またこの本は全体として、人形についての大きな『何か』ーー魂や心、或いはそう呼ばれるものの不在という存在のあり方ーーを伝えてくる。自分に都合がいいように人形を描こうとしている私のような人は一読すべきだろう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年9月11日
- 読了日 : 2015年9月11日
- 本棚登録日 : 2015年9月11日
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